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いま「与える人」こそ幸せな成功者となる
- 「与える人が成功する」というロジックは、現象として起きるまでに非常に時間がかかる。
- 時間的に鷹揚な人でないと、ギバーにはなれない。
- ギバーは「記録」より「記憶」を重んじる。だから時間を経ても、人間関係のつながりを再構築することができ、そこから恩恵を得ていく
- ギバーにとって恩恵とは「思いがけず来るもの」であり、事前に期待したり損得勘定するものではない。
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成功するギバーは、「自己犠牲」ではなく「他者志向性」をもっている
- 他者志向性とは、たとえばチームで仕事をするときに、自分の取り分を心配するのではなく、みんなの幸せのために高い成果を出す、そこに目的を設定するということ
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「ゆるいつながり」という人脈づくり
- 強いつながりは「絆」を生み出すが弱いつながりは「橋渡し」として役立つ
- カギは「リコネクト(再びつながること)」
- 思いやりをもって相手に質問をし、辛抱強く話を聞くこと
- 休眠状態のつながりの方が、より多くの新しい情報をもたらす
- 年をとればとるほど、休眠状態のつながりはますます増えていき、また、さらに貴重なものになっていく
- ギバーは与えるチャンスを生み出すためにネットワークを広げている
- ギバーは自分のネットワークの人びとにギバーとして行動していくよう背中を押している
- 恩送り(Pay forward)と呼ばれる行為
- どのようにして与えることと生産性との折り合いをつけているのか。そのカギは、「より多く与えること」
- 寛容であることをモットーに人とかかわっていれば、見返りもおなずとついてくる
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利益の「パイ」を大きく増やす働き方
- 自分の知力だけに頼った、一見個人の力が大きい仕事でも、成功するかどうかは自分で理解している以上に他のひとびとの協力にかかっている
- ギバーは、頼り合うことが弱さだとは考えない。それよりも、頼り合うことは強さの源であり、多くの人びとのスキルをより大きな利益のために活用する手段だと考えている。
- 成功したギバーは、自分だけでなくグループ全員が得をするように、パイ(総額)を大きくする。
- ギバーはグループに貢献するので感謝される
- お互いの貢献度を正しく判断するカギは、「他人がした貢献に注目すること」である。それには、自分自身がやったことを評価するまえに、相手がしてくれたことをリストにするだけ
- うまくいかないときは自分が責任を負い、うまくいっているときは、すぐにほかの人を褒める
- ギバーが協力関係で活用するもう一つの重要なスキル──視点のズレを見越す
- 他人の視点から見る能力は、協力関係で成功するギバーの得意技
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可能性を掘り出し、精鋭たちを育てる
- どの人も才能ある人間であり、だからこそその人の一番よいところを引出そうとする
- 原石は見つけるのではなく磨く
- 人間は成功で決まるのではなく、努力で決まる
- 人が才能を伸ばすきっかけになるのは、「やる気」
- ギバーは、人に投資しすぎるという失敗を一番犯しにくい
- ギバーは、たとえ自分の信念が脅かされようと、他人の専門知識を柔軟に受け入れる
- 知識のある同僚にしょっちゅうアドバイスや助けを求めている人は、まったく求めない人よりも、上司の受けがいい
- 人間というのはアドバイスを求められるのが大好き
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強いリーダーシップより影響力
- 成功とはいかに人に影響を与えられるかが決め手になる
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実行を前提とした質問で実行の確率は上がる
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説得に対する答えではない。
それは、あなたがすでに、好意と信頼を抱いている誰かに納得させられているから
その誰かとは、「自分自身」
- 弁護のコツは、相手に自分から私の結論に納得してもらうこと。相手に自分の意思で結論を出してもらいたい。そうすれば、より熱意をもって支持してもらえる
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ギバーはゆるい話し方をする傾向があり、控えめな言葉を使って話す。
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ギバーはゆるい話し方をすることで、相手に「あなたの利益を一番に考えていますよ」というメッセージを伝えている
- 控えめに話さないほうがいい立場が一つだけある。それは、リーダーシップを担っている場合
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身に付けるべきは質問力
- ギバーにとって有利な交渉術がある。それは「アドバイスを求めること(アドバイス・シーキング)」
- 達人がヘマをすると、好感度がいっそう上がる
- 交渉上手はかなりの時間を費やして、「相手側の視点」を理解しようとしている
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「成功するギバー」の、したたかな行動戦略
- やる気に火がつく「エンジン」とは
- ギバーは常に他者の利益追求のスコアが高いものの、自己の利益追求に関しては人によってまちまち
- 「他者志向」になるということは、受けとるより多くを与えても、けっして自分の利益は見失わず、それを指針に、「いつ、どこで、どのように、誰に与えるか」を決めること
- 他者への関心に自己への関心がかなり結びつけば、ギバーは燃え尽きたりやけどしたりすることが少なくなり、成功しやすくなる。
- 他人のことだけでなく自分自身のことも思いやりながら、他者志向的に与えれば、心身の健康を犠牲にすることはなくなる
- 一日に一つずつ与えるよりも、一日に五つまとめて与えた人のほうが幸福度が増した
- 「自己犠牲」から「楽しみ」へ
- 周囲からサポートを受けることこそ、燃え尽き防止の強力な特効薬
- より多く与える人は、より多く稼ぐようになる
- 自分のためにお金を使っても、幸福度は変わらなかったが、ほかの人のために使った人は、幸福度がかなり上がった
- 他者志向の与え方であり、助ける相手を自分で選んでいるから、気分がよくなる
- 成功するギバーは人に合わせたギブアンドテイクをする
- 成功するギバーの多くが、人はみな善人だという信念から出発するが、同時に、周囲の状況を注意深く観察して潜在的なテイカーを割り出す。
- 自分は大切な人の利益を代表していると思えば、しっかり自己主張することができる
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未来を変える「因果応報」のルール
- 困っている相手を自己意識に同化させ、相手のなかに自分自身を見出す
- これこそが、私たちが人助けをする理由。つまり、実際には、自分自身を助けている
- アイデンティティに関する計画を他人に知らせたことで、実際に行動を起こさなくても、自分のアイデンティティを主張することができた
- 最初に人びとの行動を変えれば、信念もあとからついてくる
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「いい人」だけでは絶対に成功できない
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3つの気をつけるべきこと
- 信用しすぎないこと
- 相手に共感しすぎないこと
- 臆病になりすぎないこと
- ギバーはマッチャーやテイカーより、直感的に相手の真意を見極め、他人を正確に判断できる
- 長期間においては相手の心のなかに注目することで有利になる
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ギバーが大損させられずにすむための方法
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テイカーとつき合うときにはマッチャーになればいい
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「寛大なしっぺ返し」のルールは「よい行ないはけっして忘れず、悪い行ないをときどき大目に見る
- 寛大なしっぺ返しでは、三回に二回は張り合うが、三回に一回は協力的な態度で応じる
- テイカーを相手にするときには、自衛のために、マッチャーになるのがいい。ただし、三回に一回はギバーに戻って、テイカーに名誉挽回のチャンスを与える。
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女性上級経営幹部は、志願者の「恩師」になったつもりで交渉する
- 女性上級管理職は、自分より他人のために交渉したときのほうがはるかにうまくいった。
- 全体のパイを大きくし、「勝ち勝ち(ウィン・ウィン)交渉」を成功させる手助けをしてくれたのは、「人の視点でものを見る」こと
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成功への道を切り拓く人たち
後に続くのは誰か
- もっとも知能の高い交渉者は、「交渉相手に」有利な取引をしていた
- 知能が高ければ高いほど、相手の成功に手を貸すようになる
- 新たな価値観を身につけたからではなく、以前身につけた価値観を新たな領域で発揮する自信と勇気がついたから
- ギバーは成功を、他人にプラスの影響をもたらす個人的なものだと考える